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乳幼児に多い感染症と予防

第二種の伝染病

(1)インフルエンザ
  • 病原体:インフルエンザウイルス.A型(ソ連型、香港型).B型.
  • 感染経路:ウイルスは咽頭、鼻粘膜で増殖し、飛沫感染する.
  • 潜伏期間:1~2日.
  • 特徴:冬季(12月~3月)に流行.高熱、頭痛、咽頭痛、咳、全身倦怠感、嘔吐、下痢、腹痛など.
  • 診断:迅速診断
  • 治療法:抗インフルエンザウイルス剤 
  • 合併症:肺炎、脳炎、脳症.3歳以下に多く、高熱が続き、呼吸困難、意識障害、けいれん
  • 予防法:予防接種.重症化を防ぐ.13歳以上は一回接種
  • 登園基準:発症した後5日を経過し、かつ、解熱した後2日を経過するまで.幼児においては、解熱後3日を経過した後.

 

(2)手足口病
  • 病原体:コクサッキーウイルスA16型、エンテロウイルス71型
  • 感染経路:飛沫感染.夏に多い.経口感染(まれ).
  • 潜伏期間:2~7日間.
  • 特徴:発熱、口腔・咽頭に痛みを伴う水疱・潰瘍、手足や下部の発疹・水疱.
  • 合併症:髄膜炎、脳症(高熱、頭痛、吐き気、嘔吐).
  • 登園基準:発熱や口腔の水疱・潰瘍のある間は飛沫感染する.糞便中には2~4週間ウイルスの排泄があるが、解熱して元気になれば、周囲への感染力は弱くなるので登園は可能.保育所でおむつの世話をしている場合には、回復期に乳幼児のおむつと保育者の手の消毒が必要.子どもたちの手洗い.

 

(3)伝染性紅斑(リンゴ病)
  • 病原体:ヒトパルポウイルスB19.
  • 感染経路:飛沫感染.
  • 潜伏期間:17~18日.
  • 特徴:かぜ症状に続き頬の紅斑、手足伸側にレース状の紅斑.
  • 合併症:溶血性貧血、紫斑病、関節痛、関節炎.妊婦が感染すると流産、死産、胎児水腫を起こすことがある.ウイルスの排泄期間は発疹が出現する1~2週間前の数日間なので、発病に気づいたときには感染力はない.
  • 登園基準:発疹が出て診断がついたときには、すでに感染力はないので、出席停止の必要はない.ただし合併症に十分注意する必要がある.

 

出席停止の措置が必要でない感染症

(1)アタミジラミ
  • コロモジラミ(衣類に付着し、発疹チフスの病原体)やケジラミ(陰毛に寄生する性感染症)とは異なる.
  • 症状:頭の痒みを訴える.耳際や襟足でみつかることが多い.
  • 治療法:スミスリンシャンプーが有効.3日に1度のペースで3~4回繰り返す.
  • 潜伏期間:気づかれるまでに1カ月程度.
  • 予防法:タオル、くし、ブラシの共用を避け、衣類、シーツ、枕カバー、帽子などを熱湯で洗い、毎日取り替える.
  • 出席停止:必要なし.頭髪をていねいに観察し、虫卵を発見したら一斉に駆除することが効果的.

 

(2)ミズイボ(伝染性軟属腫)
  • 病原体:伝染性軟属腫ウイルス.
  • 特徴:体幹、四肢に生じる半球状に隆起し、中心が凹んだ、光沢のある粟粒大~米粒大のいぼ.いぼがある以外の症状はほとんどない.いぼの白い内容物中にウイルスがおり、それがひっかいて他の部分につくと広がっていく.
  • 感染経路:自家接触で増え、他人にもうつるが、免疫抗体ができてくると自然に消退する.直接接触感染のほかに、器物を介しての間接感染もありうる.
  • 予防法:プールでのビート板や浮き輪、タオルなどの共用をしない.
  • 出席停止:必要なし.水遊びの禁止の必要なし.
  • 治療:いぼ用ピンセットで取る.ヨクイニン(ハト麦の成分の漢方薬)

 

(3)伝染性膿痂疹(とびひ)
  • 病康体:黄色ブドウ球菌(MRSAもみられる).溶連菌.
  • 感染経路:すり傷、虫刺され、あせも、湿疹などからの接触感染.夏に多い.
  • 潜伏期間:2~10日.
  • 特徴:紅斑、膿水疱、びらん、痴皮をつくる「おでき」.
  • 治療法:抗生物質の内服と外用.皮膚の清潔が大切.
  • 予防法:集団の場では病巣を適当な方法で覆うのがよい.
  • 出席停止:必要はないが、プールや入浴は患児とともにしないなどの注意は必要.症状の強い患児は、ほかの子どもと皮膚が直接ふれあうことのないような配慮がのぞましい.
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