学校に適応できない子と対策
学校に適応できない子:授業中に動き回ったり、話したりして授業が受けられない子や、ちょっとしたことがストレスとなり我慢ができないで問題行動を起こしてしまう子どもたち.
適応できない子どもたちの背景
1.社会的風潮
1)濫用と過剰
:TV画像(性の表現、コマーシャル)がどぎつい。過激な言葉や表現.
2)急速度化
:なんでも速い(早い)ことが良いことだの風潮.
物事をじっくり、とことんまで極める熟練の意思の尊重が消失.
3)断片的人間
:何でも知っているようで、深い所は何も知らない、見せかけ人間が大量に生産されている.広く、浅い.一つの事をじっくりとやらない。断片的.
2.家庭的背景
1)核家族
:少なく生んで、優秀な子に育てよう.伝承的育児文化を伝承していない.
2)親の高学歴、晩婚
:育児は生活なのに理論的に行おうとする。兄弟が少ない.
3)経済的余裕
:子どもになんでも与えてしまう.家庭での役割分担がない.
子どもは何でも自由になるので耐性が育たない.親の過保護.
4)管理的育児
:子どもの育つ力を無視して親の思うように育てようとする.
5)学校の成績のみを重視
:子どもの良いところをみないで学校の成績のみを重視.
3.子どもの背景
1)遊ぶ場所がない.
2)遊ぶ友達がいない.
3)遊ぶ時間がない.
4)異年齢の遊び集団(ガキ大将)がない.
5)遊びが楽しみでなく、勉強の合間の休息となっている.
4.適応できない子の主な原因
1)社会性の未発達
社会性:他者との協調性や対人関係を良好に保ち、発展させる個人の特性.
人間関係は親子→兄弟→友達→学校生活と発展するが核家族では関係ができにくい.
2)遊びを十分に体験していない
遊び:面白くて、楽しくて、目的がなく、且つ結果を期待しない活動
自主性、社会性、耐性を育てる
3)耐性の未発達
耐性:個人が持ついろいろな欲求が満たされない時に、不適当な行動をしないで、我慢すべき時には我慢する力.耐性は、子どもの年齢や能力により、欲求が適度に満足され、適度に抑えられることを繰り返し経験することにより育つ.基本的生活習慣の形成や道徳意識の発達と同様に耐性も適切な家庭教育、しつけの中で育まれる.
耐性の未発達の原因:最近の親の意識していない過保護な養育態度
- 子どもの欲求を過度に受容する
- 子どもが当然できることまで世話をする
- 物を子どもの要求がなくても豊富に与える
- 子どもの心が傷つかないよう過剰に挫折体験を排除して育てる
- 叱るべきことを叱らず、誉めるべきことを誉めない
- 手伝いをさせない
- 養育態度に一貫性がない
子どもたちの社会性と耐性を育てるための対策
社会性を育てるために
- 兄弟同室:お互いが関係しあうよう一緒にして育てる.
- 他人の子をお互いに預かりっこし、子ども同士を自由に遊ばせる
- 子どもの育つ力を尊重する.子どもに自由を与える.
- 勉強は学校に任せ、宿題に口出ししない.自由な屋外遊びをさせる.
- 楽しいスポーツ、遊びとしてのスポーツをやらせる。
耐性を育てるために
- 物を必要以上に与えない:食べ物、衣服、おもちやなど
- 子どもが困難な場面に遭遇した場合、それが子どもにとって耐え難いものでない限り、安易に保護せず、見守るようにする.
- 世話をしすぎない.自分でできることは自分でさせる.
- 子どもの不当な要求は毅然とした態度でしりぞけ、我慢させる.
- ちょっとしたことでいいから、子どもが出来る仕事を見つけ、手伝いをさせる.
- 叱るべき時は本気で叱る.ちょっとしたことでも、その子なりに進歩したり、良いことをした時は誉めてやること.
- 親自身が養育行動に一貫性を持つこと.
親がなすべきことは、耐性に関しては子どもが体験すべきことを、体験することが出来るよう無用の口出しと過干渉を避け子どもの自由を保障してやること.
子どもを傷つける事がらを避けることが重要
けなす
おどす
からかう
比べる
決めつける
約束をやぶる